システム起動画面
依頼した「訪問看護管理システム」はどのようなシステムになりますか?
今回、私たちが依頼したシステムは、医療機関やケアマネージャーに対して送付する書類とスケジュールを一括管理するExcelシステム「訪問看護管理システム」です。このシステムを導入したことで、どの書類を、いつ、どこに、どうやって送付するのかを、簡単に管理できるようになりました。
これまでは既存のソフトで対応していましたが、“帯に短し、たすきに長し”でなかなか実務レベルの機能に達していない不満がありました」と児玉氏。 そこでExcelを使った業務改善システムの構築を考えたそうです。
Excelシステム開発を依頼した背景について教えてください。
まず、利用者によって揃える書類がまちまちだったため、確認に手間取っていました。訪問看護事業所は医療機関との連携が必要です。そのために医師やケアマネージャーから「指示書」を受け取るのですが、「指示書」を発行してもらうためには、こちらから「指示書依頼書」を提出する必要があります。
同時に、継続して訪問看護をしている利用者の「報告書」と、さらに今後の「計画書」を提出するケースと、そうでないケースがあります。
このように書類が複数あり、利用者によって提出物の内容が異なることで、書類が揃っているかどうかをチェックすることにとても時間がかかっていました。
またスケジュールの管理と送付方法も複雑でした。
現在連携している病院は88、医師数は139名。それから108名のケアマネージャーとの関わりがあります。利用者ごとに書類の提出スケジュールが異なり、医療機関によって郵送だったりFAXだったり送付方法に指定があります。それを、送付期日、送付方法が分かり、必要な資料も確実に揃えられ、利用者の増減にも容易に対応できる業務改善システムがないかと探してたどり着いたのが、セルネッツのExcelシステムでした。
「セルネッツのExcelシステムは、機能とコストバランスの両面で、私たちの求めているものに適合していました」と児玉氏。
では、どうしてシステム開発をセルネッツに依頼したのでしょうか?
実は、セルネッツに依頼する際に、いわゆるSEが担当する「システム開発会社」にお願いしたこともありました。しかし、こちらの予測しているレスポンスよりスピードが遅く、見積もりも100万、200万…。しかし、この業務にそこまで予算をかけられるものでもないんです。また、こちらのニーズと話がかみ合わないこともあり、お願いするのは断念しました。
そこで、さらにインターネットで探すことにしました。
Excelで簡便な仕組み作りを行っている業者がいないかとひらめいて、検索したんです。そこでヒットしたのが、セルネッツでした。ホームページを拝見したときに、弊社が求めている機能とコストのバランスが適合していたので、お願いすることにしました。
システム開発を依頼する際はどのような流れでしたか?
システム導入までには約1ヵ月半、ほぼメールと電話でやりとりをしました。その数は60回~70回でしょうか。そういった打ち合わせがベースにあり、確認しきれないところや対面の方が時間的に省略できる部分は対面で、一つひとつ確認を行いました。初回の打ち合わせでは、どのようなことを行いましたか?
担当の竹本さんは、初回の打ち合わせで「できる・できない」の判断や、納品後のアフターメンテナンスに関したことなど、サービス範囲のラインを明確にすることを丁寧に説明してくださいました。そういったことを冒頭に告知してくださるので、あとの誤解がないですよね。期限や責任範囲がしっかり分かるのでこちらも動きやすかったです。窓口となってやりとりを行った内田氏。 「今後は、総務の担当者が使いやすいよう、誰でも使える運用マニュアルを作成する予定です。」
Excelシステムの成果はいかがですか?
私が感じているExcelシステム開発の成果は4点あります。①業務のスピードアップ
Excelシステムの導入前は、提出書類の内容チェックに1日かかっていましたが、導入後はほんの15分、20分でできるようになりました。また、これまでは封筒に宛名をプリントしていたのですが、印刷ミスが多く時間にロスがあったんです。ですからExcelシステムには、宛名ラベルを正確にプリントアウトできる仕組みも取り入れました。
②業務の正確性がアップ
書類送付の期限がありますので、当然スケジュールは守らなくてはいけません。また、誰に、何の資料が必要なのかが一目で分かるようになり、期日・内容ともに業務の正確性がアップしました。③経費削減に寄与
先ほどお話したラベル印刷は、指定した住所や宛名がシールにプリントアウトされてきます。送付に関してはそれを貼るだけなので、封筒への印刷よりもミスが少なく、結果的に経費削減につながっているといえるでしょう。
④ワーク・ライフ・バランスの向上へ
Excelシステムの導入で作業時間が短縮されたことは、つまりワーク・ライフ・バランスの向上にもつながります。業務効率化したことで、定時で仕事を完結でき、家に帰って家族との時間が大切にできる。それは仕事のクオリティはもちろん、スタッフの精神衛生にもつながると思うのです。きづきリハビリ訪問看護ステーションは、足立区の「ワーク・ライフ・バランス推進企業」にも認定され、業務向上に積極的に取り組んでいます。
システム導入の成功要因はどこにあると思いますか?
こういったシステム開発は担当者に大きく左右されるものではないでしょうか。担当の竹本さんは、気楽に何でも話せるタイプの方で、積極的にプロジェクトを進めてくださる。竹本さんが知りたいと思った部分は率直に質問してくださるのが成功の要因でしょう。打ち合わせに関しても、時間的な無駄がなくしっかり仕切ってくれるので伝え漏れが防げます。もちろん、成果物や導入後の業務改善についても大変満足できるものでした。
きづきリハビリ訪問看護ステーションのこれからの展望について教えてください。
私たちは利用者のところへ行って訪問看護サービスをするのがメインの仕事ですから、事務作業はできるだけ手間をなくしたい。事務作業で疲れ切ってしまい、訪問看護に支障をきたしてしまっては本末転倒ですから。今後は、訪問看護サービスという商品価値を高めるために、もっと業務の効率化と簡素化を目指していきたいです。そして結果的に訪問看護サービスの質を高めていくことが本望です。そのためにセルネッツさん。今後とも、Excelシステムの力を借りて私たちの業務効率化を図ってください。よろしくお願いいたします。
セルネッツ竹本(写真左)と一緒に。 「ルーチンワークの業務改善は気づくか気づかないかが要。次回は、弊社の業務診断をお願いいたします」と児玉氏。
今後、セルネッツへの期待があれば教えてください。
私たちが依頼したようなルーチンワークは、よほど意識を高く持たなければ業務改善に注意が向きません。ですので、例えばですが「セルネッツの業務診断」といったコンサルティングのメニューがあるといいと思います。
私たちの日常業務を見ていただき、無駄なルーチンワークをExcelシステムで改善していければ、私たちはますます本業の訪問看護へと注力することができます。
そういったサービスがあるのでしたら、私は第一号で受けてみたいです。
取材日時:2016年11月 取材・執筆:はぐくむ 高橋かずえ
※ 文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
※ 文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです。
実績概要
システム名 | 訪問看護管理システム |
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内容 | 訪問看護ステーションが医療機関に送付する、「指示書依頼書」をはじめ「計画書」や「報告書」などの、送付書類の内容管理とスケジュール、送付方法を一括管理する。 |
特徴 | 医療機関へ送付する書類とスケジュールは利用者によって異なるため、指定した期間における利用者ごとの必要書類が分かる絞り込み機能を開発。スケジュールのアラート機能も実装した。また資料送付の際に必要な宛名ラベルの印刷も、セルネッツが構築したExcelシステム内で操作を行うことができる。 |
目的 | 事務作業のスピードアップ、正確性アップなどの業務効率化のため |
構築期間 | 1ヵ月半 |
開発費用 | 約28万円 |