QAとは「Quality Assurance」の略称で、プログラム開発において、重要な位置づけを占めています。
みなさん、こんにちは。セルネッツ竹本です。
Excel開発に限らず、ソフトウェア開発現場では製品リリース前に、必ず行われる工程です。
弊社QAチームのチェックでは、計125項目ほどありますが、その一部を紹介します。
◆プログラマが十分なテストをすれば十分じゃないの?
「答え」は、十分ではないんです。
何故かというと、プログラマは開発者の立場として、要求仕様が満足のゆく期待値を得たかどうか。
これらの検証に注力することなり、バグ防止に努めます。
が、製品品質という観点から見た場合、正常動作をするだけでは駄目なのです。
具体的には、
1.仕様を満たすが、操作性に改良が必要・・・・
2.速度が期待値を出ていない
3.改修性が悪い
4.拡張性が低い
5.堅牢性が低い
6.ブックサイズは妥当?
など、が挙げられます。
◆QA品質チェックの具体例を紹介します。
1.データ並び替えは、QuickSORTなどではなく、SORT機能を使えているか
Excel標準機能をちゃんと併用できているかどうか
2.セル塗色など、Color値固定で直塗りをせず、「条件付き書式」を使えているか
ユーザの変更要望に、コストを発生させずに対応できる設計かどうか
3.一覧表形式データの「縦計」「横計」は、演算結果でなくSUM関数を使えているか
複数のセル値を合算した演算結果の出力はNG!検証ができないため
4.罫線描画や印刷範囲の設定は、「マクロ記録ソース」をそのまま流用していないか
無駄なコーディングStepがないか。
5.グラフ作成は、プログラムによる制御でなく、Excel標準機能を使っているか
改修性、シンプル化の弊害チェック
6.Excelブックに潜む残骸Objectやブック健康状態チェックはできているか
納品成果物であり、ノーチェックはバグの原因となるため駄目。
7.属人化を防ぐための仕組み「可視化」や「見える化」がされているか
第三者改修に耐えうるシンプル記述ができているか
8.「自作関数」の多用により可読性が下がっていないか
など、Excelブックの状態までチェック対象となるため、Excel知識が求められます。
システム開発による製品の品質次第では、大きなリスクを抱えることになるため、QAチェックは欠かせません。
今回のテーマは、「品質保証」について、一部のチェック項目を解説しました。
本記事が、Excel実務の効率化において、ご参考お役立てになれば幸いです。