運転免許証や保険証、診察券などコード番号は身近なものです。
システム開発においては、「コード設計」という工程が、未来にわたり重要になるため、
本コラムでそのポイントを紹介します。
みなさん、こんにちは。セルネッツ竹本です。
今回は、設計工程の大事なひとつ「コード設計」について解説いたします。
◆コード設計とは何か
社内にたまった注文情報やあらゆる情報を、事故なく、精度高く、一元的に管理するために必要なこと。
それは、以下の2つ。
1、桁数を揃え
2、数字や記号に意味付け(命名規約)
そうすることで、データの基本情報をすぐに読み取れるようにする。
これが「コード設計」です。
世の中の管理番号をはじめ、会社の「従業員番号」にもコード規約は適用されています。
(例:従業員番号順「24S01101」から分かること)
1-2桁目:採用年(西暦2桁)
3-3桁目:採用区分(社員S/派遣H/パートP)
4-5桁目:事業所区分(01本社、05大阪)
6-8桁目:採用連番
上記の例から、「2024年」、「社員採用」、「本社」、「連番」がわかります。
かなりザックリですが、基本情報が読み解ける事で業務を効率的にまわせるようになります。
さらに、プログラムによる部門や属性によるグルーピングが容易になります。
◆コード設計の注意点
大切なのは、一度定めたコード規約は、「ルールを変えない」ことです。
未来の変化を見据え、慎重に考える必要があります。
安易にコードを設定すると後になってたいへんです。
例えば、パートから社員登用されたり、大阪から本社への配置転換も想定されます。
変化、変更に対応できるが、人物を特定できることも大切です。
このため、絶対的な単純連番も検討の余地ありですが、露骨に見える化されるのも抵抗あったりしますので一工夫してください。
◆命名規約の重要ルールはこれ
「桁数揃えの原則」です。
次に「シンプル化」できるだけ短く、です。コードは短ければ短いほど管理しやすいです。
以下は、毎日のように営業から届く、注文データの「ファイル名」と思ってください。
例えば、注文データを以下のように命名されては、同じグループに分類するのが困難になります。
システムにとって「規則性ない情報は処理できない」ためです。
【Before】
2023年9月5日_注文分.xlsx
2023年10月12日_キャンセル分.xlsx
23年6月5日_変更分.xlsx
↓システム的に取り扱いやすい改善をするなら・・・。
【After】
注_230905.xlsx
取_231012.xlsx
変_230605.xlsx
こんな場合、システム設計書では、「コード規約」を次のように表現します。
区_yymmdd.xlsx
がっちり桁が揃い、要素の開始位置(桁目)もルールが適用されました。
システム開発では、日付順や担当者順、売上順など、データ並べ替えて見たい場面が多いですが、
「SORT」並び替えでは、文字列の序列が大きく影響しますので、桁揃えには十分注意してください。
日付なんて、「わかれば良い」のですから、手作業中心のデータ管理であれば、気付きにくいことも沢山あります。
しかし、
システムを学んでゆくなら少しづつ「習慣化」しておくのが良いでしょう。
今回のテーマは、「コード設計」について、解説を行いました。
本記事が、品質向上において、ご参考お役立てになれば幸いです。